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【ネタバレあり感想】アイの歌声を聴かせてを観ました

「アイの歌声を聴かせて」って映画が面白いらしいと聞いたので見に行ってきました
これはその帰り道でバーッて書いた感想のメモ的なやつです
大いにネタバレを含むので読む前にまず観に行ってください
なんならこの記事は別に読む必要はないので観に行ってください

~~~~~~~~~~下の方に本文~~~~~~~~~~





























めっちゃすき

とりあえず初手にそれっぽいブワーッってCG
映画館のクソデカ画面が感じられてすき
映画のつかみは最強スクリーンの絵か最強音響の音楽を聴かせてほしい
AIがちょっと歌ってOP締め
滅茶苦茶良い 音楽と演出のシンクロを大事にしてくれる映画ってことを示して心の準備をさせてくれつつこれから何か始まるワクワク感をMAXに持っていってくれる

導入パート
サトミの日常とお母さんとシオンの関係性と現状をスッと示しつつ舞台の設定(田舎だけどAI大企業のお膝元、AI民間浸透一歩手前、ちょっと未来程度の実験的な発展レベル)を見せる

高校、登校→自己紹介→ドタバタ終結まで
土屋太鳳歌も演技も凄い(他のキャストも凄く良い)
各キャラ雰囲気を見せつつ他は徹底してモブなのでメインの6人に集中させてもらえる
この時点で役回りとなんだかんだ全員いいやつの優しい世界っぽいな~って掴ませてくれるから安心して見て良いよって言われた感じ(親切)
あと真面目で純粋な子がヘンなのに会って回りまきこみながら振り回されるやつ大好き
ふたりともかわいいね^~(オタク)
劇の進行に合わせてシオンはAIの成長につれて異常美人になってくけどこのころのやべーやつみたいな表情もすき
デフォの表情をあれにした業の者(モデリング担当)を採用した星間が流石大企業

映画館音響の良い音楽でゴリ押しした時点で80点くらいあげちゃうんだけど高校で青春みたいな世界観に「ポンコツAIだから急に歌っていい!」で強引に合理的にミュージカルを押し込んだのがインチキすぎる、天才設定すぎて好き

オタク辺境部室異常スキルパソコン部←みんな好きなやつ、サマーウォーズのアイツとか嫌いなやつおらん
あとゴミ箱の伏線いいよね
サトミのトウマへの気持ちの舞台装置になってるのも無駄がなくて良い

この映画は人物にしろ舞台にしろ役割をかなり都合良く複数担当させる話作りがうまいから見なきゃいけない部分がコンパクトで見やすいと思う

ごっちゃんとアヤ
廊下柔道のごっちゃんのイケメンムーヴ/部室でのお悩み相談←株爆上がり、こいつは良いイケメンだ……

アヤ←お前ごっちゃんのことめっちゃ好きやんけ……一途でええ子や……(一転応援体制)

柔道回
各キャラへの理解を進めつつガチ有能トウマとシオンの異常スペックが露になり出す役目を一手に担う

サンダー「俺、本番に弱いんだ」からの練習パートでこいつら全員正直でいいやつすぎんかってなり始める
悪者を作らずに展開できる暖かい話の展開好き(後の鬱病パートへの圧倒的落差含めて)
ごっちゃんとトウマ、ごっちゃんとサンダーの掛け合いでスッてキャラを掘り下げてくれるの良い
特にこの会話でごっちゃんの悩みがわかりやすくなってるから後々のアヤ「ごっちゃんが一番や……!」の火力に良い感じにバフがかかる
一生幸せに暮らしてくれ
シオンの鶴の歌声!気持ちを伝えて仲直り!雨は晴れる!←ガチ王道演出いいね、音楽も絵面も爽やかすぎて青春度3億って感じ

サンダーはよくいるスポーツ系コメディ担当みたいな役回りだけど話の痒いところに手が届く感じでストーリーの潤滑油として優秀すぎた
退場シーンとラストの顔貼り付け練習で映画館の何人かフフッってなってた(映画館のこういうイベントすき)
あと映画終わったあと近くのおじさん2人が「あなた確か彼女より5歳年上でしたよね?」ってところが刺さって辛かったって言っててちょっと現実に引き戻されるなどした(映画館のこういう以下略)

柔道のレヴュー←一番好き
曲が良い(直球)
俺はあんな感じのちょっと洒落たジャズ調物語音楽みたいのが好き
なんやかんやあって歌いながら解決!
例えばスタァライトみたいに圧がヤバい映像に脳のリソースを割かれる訳じゃないし極めて歌詞が聞き取りやすいので歌に集中できる
屋上仲直りのレヴューも月夜のステージもそうだけど歌詞が滅茶苦茶良い

あとどうでもいいけどスタァライト?って思ってたらキリンみたいな声したやつ出てきて笑っちゃった

あと雑なコスプレ捩じ込みあざす(オタク)
絶対序盤でチラッと出てきたコスプレ所望電子工作部員Aがアニメ制作サイドに大金積んだと思う
座るとこのテイクとか滅茶苦茶注文入れてそう
柔道回の裏MVPは部員A、お前の生きざまかっこいいよ

その後打ち上げパート
シオン含めてみんなすっかり打ち解けて仲良くなって最高!青春!→からの一転ガチ鬱病パートの落差がエグすぎる
ただここまでで優しい脚本への信頼が出来上がってしまっているためそこまでガチ凹みはせず暫くの辛抱みたいな心持ちでいられる親切設計鬱病要素

ここまで見て基本的にテンポが滅茶苦茶良い
冗長に待たされる部分が全然ない

鬱病パートの打開は(ゴミ箱HDDと)サトミの名前件とたまごっちの伏線を拾いつつシオンの正体が明かされることで始まる
AIを通じて開発(ここではトウマ)の感情が伝わるやつベタだけど好き
最近だとフリーガイとかそんな感じだったよね
シオン(≒トウマとお母さん)はずっとサトミを見守ってたってワケ
幸せやね
泣いちゃう

この映画で一番好きなのシオン→サトミの感情がデカすぎるところ
クソデカ感情AI、良い

ツインタワー侵入編
オラわくわくすっぞ!(この手の展開が好きな孫悟空)
極秘ミッションみたいなドキドキ感と子供達が大人とか社会みたいの(取り調べでツダケンが散々強調してた)に一矢報いるやつの複合展開
ぼくらの七日間戦争とか好きな人はみんなこの手の展開が滅茶苦茶好き(偏見)
シオン再開の感動とこれいけるぞ感はブツ切りで危機に陥る
月夜のステージといいここといい制作サイドは希望の余韻をブツ切りにするスピーディーな展開が好きなのかもしれないって思った
さっきも言ったけどこの映画はテンポが良い

ここから順にここは俺に任せてお前らは先に行け!のパートに入る
ベッタベタな展開だけど結局これが一番熱いってヤツね
このへんからシオンが異常美人になりだしてウケた
いくらなんでも顔が良すぎるだろ

シオンのAI全面協力ミュージカルをやりつつ天に逃げて一件落着
音楽ゴリ押し映画だと思って見てたけどクライマックスは映像の方も盛り上げる感じにしてきていいねってなった

その後パート
この映画冒頭のカット繰り返して締めに入るやつ好き(ペンギンハイウェイとかもそれ)
ほーんってなりつつ全部が丸く収まって大団円
上位存在みたいな雰囲気出しながら見守ってくるシオン
衛星「つきかげ」って名前なんだけど劇中のムーンプリンセス(サトミが好きなディズニーみたいな映画)の歌に「月の光に見守られて~」みたいな歌詞あった気がしていいですね~ってなった
たまごっち時代にサトミから教わってネットで自己進化してる間もずっとサブ窓で流してたムーンプリンセス(ある意味教師データ的な存在なのかも)だったけど遂にそのものになっちゃった感じのやつね、良い名前だ
シオン……なったのね……!ムーンプリンセスに……!

ここまでの感想を読み直すと「どっかで見た」みたいなのが以外と多いことに気づくんだけどそれはありきたりとか悪い意味じゃなくて、いわゆる王道展開だったり効果的な手法みたいなのを「面白の要素」として色んなものから抽出して再構成したみたいな感じなんだと思う
温故知新みたいな?
青春にポンコツAIでミュージカルとSFの味付けを押し込んで展開する話にオリジナリティと芯が通ってる上、全体通して演出にしろ演技にしろ細かい部分まで作りが丁寧だから変に奇をてらう展開の連続より王道を採用するのは物語としてむしろ自然にも思える

感想としてはハチャメチャに好きってことなんだけど自分が娯楽を楽しむ部分と感情移入みたいなことをする部分が独立してないタイプだったらコンプ的な物を全方位から刺されて死んでたかもしれないなってちょっと思ったりした

あと一貫してテクノロジーに肯定的で、技術は世界を幸せな方向に持っていってくれるはずだよねってスタンスなのはなんかいいよね

とても好きな映画だった
もっかい観に行きます

長くなりそうとか言ったけどめっちゃ長くなってウケ

内容の割に話題になってなさすぎる
宣伝しなきゃ……(使命感)
皆さんも面白い作品は宣伝しましょう